2016.05.02

EXPERIMENT

彼女らはなぜコスプレをし、彼らはなぜ撮影するのか?「ニコニコ超会議2016」レポート

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Daguerreotype Achromat 2.9/64 Art Lensを使用

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4月29日、30日の2日間にわたり千葉県・幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議2016」。

動画サイト「ニコニコ動画」を運営する株式会社ドワンゴが主催するイベントで、コンセプトは「ニコニコのすべて(だいたい)を地上に再現する」というもの。歌舞伎や相撲、音楽、政治などのコンテンツが立ち並ぶ、インターネットの枠を飛び越えた超巨大イベントだ。

 

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今年は2日間で、会場来場者15万2,561人、インターネットで同時中継を見たネット来場者554万8,583人の動員を記録した。

もはやひとつの文化を創出しているといっても過言ではない。

 

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様々なコンテンツが用意されるニコニコ超会議の中でも一際目を引くのが、会場にあふれるコスプレイヤーと、彼女らを撮るカメラマンの姿だ。

 

ニコニコ超会議には、ファッションショーなどが行われるオフィシャルなコスプレ会場「超コスプレエリア」と、通路等会場の数箇所の空きスペースに用意される「コスプレ推奨エリア」の2種類のコスプレ会場がある。

屋内のきらびやかなランウェイが用意された前者に対し、後者のコスプレ推奨エリアでは、強風にさらされながらもコスプレイヤーがカメラに向かってポーズを決め、カメラマンがその姿を写真に収めていた。コスプレイヤー・カメラマンを合わせた数はおよそ数百人。

このエリアは、他のエリア以上の異様な熱気に満ちあふれているのだ。

 

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しかし、我々が見たところ、アニメや漫画のキャラクターになりきっている女の子たちは、意外にも”普通の女の子”が多いように見受けられた。

 

何が”普通の女の子”をコスプレへと掻き立て、なぜカメラマンはコスプレイヤーを撮影するのか。

我々は、熱気あふれるコスプレ推奨エリアにて、コスプレイヤーとカメラマンに取材を敢行した。

幾多のコスプレイヤーが彩る”美しきニコニコ超会議”もぜひご堪能いただきたい。

 

※(@〜)はTwitterアカウント

 

 

制服を着ていた頃が忘れられなくて

 

1.紺音あすたさん(@kon_no_ast)/アイカツ!氷上スミレ(私服)

 

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Daguerreotype Achromat 2.9/64 Art Lensを使用

 

--なぜコスプレを始めたんですか?

 

今19歳で昨年まで高校生だったんですけど、制服を着ていた頃が忘れられなくて。高校生の自分がいたことを保存しておきたくて始めました。制服着てるとしょっちゅう中学生に間違えられるんですけどね(笑)

あと、好きなアニメのキャラクターへの憧れもありますね。コスプレをすれば近づける気がして。

 

--最近コスプレデビューを果たしたばかりとのことですが、撮られるのには慣れましたか?

 

撮られ始めたのは高3の頃ですね。

もともとカメラが趣味で、女の子や景色を撮るカメラマン側もたまにやっているんです。カメラは保存よりも表現したい気持ちの方が強くなったから始めました。だから撮る側/撮られる側、両方の気持ちはわかるかな。

(取材陣のカメラレンズを見て)このレンズ初めて見た、可愛い!撮ってみてもいいですか?

 

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--(あすたさんのエリアに人だかりができていたのを見て)ものすごい人気ですね?

 

こんなに集まっていただけたのは初めてでびっくりしました。可愛く撮ってもらえるのはすごく嬉しいしありがたいです。

 

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「友達にはバレてない」JKコスプレイヤー

 

2.りーなさん(@ballet_1024・写真)ときりのさん(@kirinon927)/マリオとルイージ

 

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Daguerreotype Achromat 2.9/64 Art Lensを使用

 

--なぜコスプレを始めたんですか?
きりのさん:単純に楽しそう!と思って、後輩のりーなを誘って始めました。1年前のコミックマーケット88(コミケ)でコスプレデビューしました。

 

--後輩、ということは、今おいくつですか…?

 

りーなさん:私が高1で、きりのが高2です。私は中学時代からコスプレをやっていました。

 

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--親御さんや友達には言っているんですか?

 

きりのさん:はい、むしろ親は衣装をつくってくれたりと協力的ですね。学校の友達にはバレてないです!

 

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--他のコスプレーヤーはマニアックなアニメや漫画のコスプレをしている中、なぜマリオとルイージを選んだんですか?

 

りーなさん:誰が見ても「あ、マリオとルイージだ〜」って寄ってこれるように、いろんな人に興味を持ってもらえるように、誰でも知っているマリオとルイージにしました。

きりのさん:ペアものなので、2人でやっていて楽しいからという理由もありますね。他の会場では自分の好きなアニメコスもしています。

 

 

愛の表現に性別は関係ない

 

そして会場にあふれるコスプレイヤーの中でも目立っていたのが、男性コスプレイヤーの姿だ。

自身の筋肉美を惜しげもなく披露する者、男の娘キャラのコスプレをする者…

男性コスプレイヤーは決してマイノリティーではない。性の平等が叫ばれる今こそ、そのことをぜひ知っていただきたい。

 

3.(匿名希望・男性コスプレイヤー)

 

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Daguerreotype Achromat 2.9/64 Art Lensを使用

 

--なぜコスプレを始めたんですか?

 

左の男性:元々アイドル事務所に入っていたので、周りに合わせて自然な流れで始めちゃいました。最初は1人でやっていたんですが、友達を誘ったら楽しくなっちゃって。

 

--失礼ですが、男性コスプレイヤーって多いんですか?

 

右の男性:最近増えていますよ。僕たちみたいにキャラコスをする人から、鍛えた体を見せるようなコスプレをする人まで幅広いです。

左の男性:僕は数年前からコスプレをしていて超会議やコミケに参加していますが、回を重ねるごとに男性コスプレイヤーが増えています。

逆に、女の子が男性キャラのコスプレをすることもすごく増えています。今人気の「おそ松さん」なんかもそうですよね。コスプレでキャラへの愛を表現するのに、性別は関係ないと思っています。

 

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「アイドルの応援と一緒」カメラマンはなぜ撮影するのか

 

コスプレイヤーを取材・撮影していて我々が気になったのは、撮影する側であるカメラマンの気持ちだ。

どんな気持ちで撮影し、撮った写真を何に使うのか?コスプレイヤーと仲良くなりたいからなのか?

そして、毎年ニコニコ超会議後にTwitterのトレンドに現れる”あの言葉”の真偽とは…?

 

数多のカメラマンに断られ続けたが、顔出し・写真撮影NGという条件付きで、とある20代半ばの男性カメラマンへの取材に成功した。

 

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彼がコスプレカメラマンへの道を踏み出したのは、友人がコスプレを始め、イベントに誘われたことがきっかけだという。1年前から撮り始め、大きいイベントだとコミケや超会議、小さいものだとスタジオ撮影など、月1〜2回の頻度で撮影に参加しているそうだ。

最初はその友人だけを応援していたが、今では他の推しのコスプレイヤーもいるとのこと。

「僕が可愛く撮りたい、その写真で喜んでもらいたい、という気持ちで撮っていますね。アイドルを応援する気持ちと変わらないです」との言葉に、世間からの冷たい目への反逆的な心意気も込められているように感じられた。

 

撮影した写真は、コスプレイヤーにTwitter経由で送っている。他のカメラマンは、コスプレイヤーへの愛の表現だろうか、アルバムや写真集をつくる人もいるそうだ。

その写真のやり取りを通じ、コスプレイヤーと仲良くなりたい気持ちも少しはある、と彼は話す。

「Twitterでの写真のやりとりやこのようなイベントで直接コスプレイヤーに会えると、やっぱり嬉しいです。オフ会とまではいかないですけど、終わった後にご飯に行くこともありますね」と話す姿に、通常の恋愛と変わらない心が感じ取られた。

 

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しかし、ニコニコ超会議は、毎年終了後にTwitterのトレンド欄に「オフパコや「#オフパコ超会議」といった言葉が並んでしまうことで、良くも悪くも有名だ。

 

そのような現状について突っ込んだところ、「いや、その言葉自体は知っていますが、僕の周りではあまり聞かないですね。僕は新参者ですし、そんなに積極的にオフ会等に参加しないからかもしれないですけど。そういう噂を耳にすることも、ないことはないですが…」と、曖昧な返事をいただいた。

コスプレイヤーとカメラマンという関係を維持する一人の当事者として、闇に包まれている部分、口にはできないグレーゾーンがあるのかもしれない。

 

 

その熱量があらゆる場所で表現されているコスプレ文化。

普段は触れることのないコスプレイヤー、カメラマン双方の思いを聞き、コスプレに対するイメージは変わっただろうか。コスプレ文化について今後も継続的に取材する予定だ。

 

 

幻想的な写真が撮れるカメラレンズ

 

Lomography Daguerreotype Achromat 2,9 - 64 Art Lens_brass_mood

 

また、今回の取材に際し、通常の一眼レフカメラに合わせ、ロモグラフィーの「Daguerreotype Achromat 2.9/64 Art Lens」というレンズを使用した。この特別なレンズを使うことで、被写体がキラキラ輝いて写るのだ。

3名のコスプレイヤーを写した複数の写真のうち、1枚目は当レンズで撮影した写真である。

所有のカメラにこのレンズをはめ、特殊な形の「絞りプレート」を挿入することで、幻想的な写真を簡単に撮ることができるのだ。

 

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Ⓒ Anna Rakhvalova, France

 

1839年に発明された古き良き芸術的なレンズを、世界的に有名なカメラメーカー・ロモグラフィーが、実用写真技術であるダゲレオタイプに焦点を当て復刻した。一本一本を人の手で組み立ててつくっている特別なレンズだ。

 

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Ⓒ Kieko Hoshi, Japan

 

現代では、2分間で19世紀に撮影されたすべての枚数を上回る写真が撮影されている。そんな現代の写真界に、写真本来の魔法のような楽しさを味わえる商品を復刻させることで、古き良き写真撮影の本髄を多くの人に味わってほしい、という思いでこのレンズを復刻しているそうだ。

 

復刻プロジェクトのためのクラウドファンディングが、クラウドファンディングプラットフォーム・MotionGalleryにて5月17日まで実施中

 

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