2016.06.16

EXPERIMENT

昆虫が食糧危機を救う?昆虫食と栄養の専門家と作る"とある未来の給食"

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世界中で危惧されている食糧不足。

現在起きている人口爆発や環境破壊により、食糧、特にタンパク源の不足が予想されています。その不足を補うためには、食糧生産を現在の倍の量へ増やす必要があるといわれており、このままでは地球は深刻な食糧危機に直面するとも……

 

この食糧危機を解決する救世主として注目されているのは、なんと”昆虫食”。昆虫食とは人間が昆虫を食べる食文化のことで、世界だけでなく日本でもメジャーな文化となっている地域もあります。

一般的には”ゲテモノ”といわれる虫を食べられるの?といった偏見も持たれがちですが、実は昆虫は栄養価が高く、生産効率も非常に高いのです。国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告書も発表しているほど、注目を浴びています。

 

食糧不足が叫ばれるこれからの未来を担う子どもたち。彼らが食について学び、触れる場である学校の給食が、もし昆虫食だったら……?

昆虫食でできた“とある未来の給食”を作ってみました。

 

給食の調理・監修は、2人のプロが手がけました。

昆虫料理研究家の内山昭一さんは、どうすれば昆虫をより美味しく食べられるか、味や食感、栄養など様々な角度から食材としての昆虫食の可能性を追究している研究家。給食に合うおすすめの昆虫を教えてもらいました。

 

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続いて、管理栄養士の北嶋佳奈さん。給食の献立も考える管理栄養士としての観点から、給食にどんな昆虫食の献立が合うのか、教えてもらいました。

 

konchu_kitajima

 

昆虫食でできた未来の給食の献立とは?

 

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完成した、一見美味しそうな給食。実は……

 

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イナゴ、タガメ、ハチノコ、コオロギ、アリの子……昆虫が満載の献立になっていました!

冒頭の動画では、2人のインタビューに合わせて作っている様子も見られます。なぜこの献立になったのか、一品ずつ見ていきましょう。

 

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主食となるのはハチノコご飯。タンパク源が少なかった過去には常食されていて、今でも長野や岐阜では伝統食として作られているんだとか。

 

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ハチノコとはクロスズメバチなどのハチの幼虫のことで、アミノ酸のバランスが良いといわれています。そして意外なことに、うなぎの味に似ていて美味しいのです!

 

 

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メインディッシュは、子どもたちの大好きなハンバーグ!付け合わせの野菜には人参サラダも。

子どもがぺろっと食べてしまいそうな一皿ですが、2種類の昆虫が使われています。

 

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ハンバーグに含まれているイナゴは、バッタの一種。水田の稲を食べる害虫とされると同時に水田から大量に捕獲できたので、日本各地で佃煮などにされて食べられていました。

 

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イナゴは高タンパクで脂肪も少ないので、以前から昆虫食として食べられてきました。加えて豆腐を含めたハンバーグにすることで、ひき肉だけでできたハンバーグよりも栄養価が高くなるのです。

 

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付け合わせの人参サラダには、6cmもの体長を持つ日本最大のカメムシであるタガメの体内の肉が含まれています。過去には昆虫食として愛されたタガメですが、現在では絶滅危惧種にも指定されています。

 

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内山さんいわく「タガメはラ・フランスの香りがする」ので、リラックス効果があるんだとか。午前中の授業で疲れた子どもが食べる給食にぴったりです。

 

 

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基本的な和食の形である“一汁三菜”の中の汁物は、コオロギの白玉汁。虫なんて入っていないように見えますが、実は白玉団子の中に細かく砕いたコオロギが含まれているんです。

 

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コオロギは、タンパク質と脂肪の割合が良いだけでなく、クセがなくて柔らかいため、子どもも食べやすいのです。秋の風物詩であるコオロギが給食に出るなんて、子どもは喜びそうですね。

 

 

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最後の一皿は、アリの子の玉子。ここで使われているアリはツムギアリという種類で、タイやラオスでは缶詰で売られてよく食べられているんです。

 

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アリの子は栄養的にもバランスが良いとされています。玉子焼きの中に甘く味付けされたアリの子が入っているので、子どもも美味しく食べられるはず!

 

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食糧危機を救う”食育”としての昆虫食

 

動画内のインタビューでは、未来の給食のレシピ紹介だけでなく、昆虫食の重要性についても語られています。一般的に“ゲテモノ”として扱われている昆虫食を普及させるためには、給食として子どもたちに食べてもらうことが重要なのです。お母さんは昆虫との接触が少なく、菌に対しての抵抗が強い一方、子どもは昆虫に対しての抵抗が少なく、美味しい食べ物には躊躇しません。子どもからお母さんに「あの給食が美味しかったから家でも作って」と昆虫食について教育されることで、家族全員で食糧問題を考えるきっかけになるのです。

 

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栄養価が高いだけでなく、生産効率や可食部率が高かったり、飼育時に温室効果ガスをほとんど出さなかったりと、いいことづくめの昆虫食。食糧危機が深刻化する中、世界から注目を浴びる理由も納得です。

今回紹介した”とある未来の給食”が実際に給食として出される日も、そう遠くないのかもしれません。

 

 

今回の給食を監修したお二人のプロフィールや、給食のさらに詳しいレシピは、「とある未来の給食」に掲載されています。

 

 

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