2016.06.21

PHILOSOPHY

性を誰もが楽しめるものに!”セクシャルウェルネスメーカー”としてのTENGAとは

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アダルトグッズでおなじみのTENGA。

インタビューの前編では、新商品「TENGA メンズルーペ」に込められた、男性の不妊症という社会問題への思いを聞きました。

そこで開発担当者の口から出てきた、”セクシャルウェルネスメーカー”という言葉。

男性向けアダルトグッズのイメージがあるTENGAは、誰にでも性を楽しんでもらうため、女性、カップルや障がい者、性に関する障がいを持った人向けのグッズ開発や社会貢献活動を行っているのです。

男性広報の松本さんと女性広報の工藤さん、2人の広報担当に、私たちのイメージとは異なる”セクシャルウェルネスメーカー”としてのTENGAや、向き合っている社会問題について聞きました。

 

日陰にあったアダルトグッズを表通りに。TENGA誕生秘話

 

——TENGAが誕生した背景を教えてください。

 

TENGAは7月7日で会社設立11周年を迎えます。TENGAの歴史を紹介すると、モノづくりに対する情熱を叶えるために脱サラした代表の松本光一が、世の中にある様々な製品の中から選んだテーマが、アダルトグッズだったんです。

 

以前から、男性向けアダルトグッズのパッケージにはセクシー女優さんやキャラクターを模したイラストやなどが描かれていて、デザインが猥雑だったんです。最低限必要な企業情報や問い合わせ先すらも、記載されていませんでした。また、アダルト系の店舗さんではDVDやビデオがメインで、グッズは奥まったコーナーに陳列されていました。

ほぼ全ての男性がマスターベーションをする世の中で、どうしてアダルトグッズは日陰にある存在で、いかがわしいと感じるのだろう、と違和感を覚えたんです。まだまだ当たり前のことが整っていなかったアダルトグッズという分野で、まずは“一般プロダクト”を作っていこう、そこから性に関する意識を変えよう、と考えました。

そこから3年の開発期間を経て、5種類の「TENGA」を発売したんです。スタイリッシュなデザインかつ使用感にも当然こだわり、手に取りやすい製品としました。

 

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▲代表の松本光一さん

 

アダルトグッズだけじゃない!障がい者や患者の性と向き合うTENGA

 

——TENGAは、「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」という企業理念を掲げています。この理念に込められた思いは何ですか?

 

理念の「誰もが」という部分には、男性だけでなく女性、カップル、高齢者、障がい者、病気を患った人など幅広く含まれています。より多くの方々に楽しんでもらうため、障がい者の方へ支援や医療現場での活用にも力を注いでいます。

 

たとえば医療面でいうと、女性の膣の中で射精ができない「膣内射精障がい」という性機能障害のリハビリのために、「CUP(カップ)シリーズ」が使われているんです。
この障害の背景には、性教育の現状がも関わっていると思われます。保健体育の授業で性教育を受ける際、男女の身体の違いなどが中心で、マスターベーションやセックスの仕方など具体的な話は教わらないですよね。
周りの知人・友人やメディアなどから得る誤った情報を元に強い握力、強い刺激でマスターベーションを行ったため、女性の中の刺激で射精できなくなってしまうんです。
膣内射精障がいの患者が、素材の硬さや締めつける力が異なる黒(ハード)・白(ソフト)・赤(スタンダード)の3種の「CUP」を刺激の強いものから弱いものへ段階的に切り替えて使うことで、女性の中で射精できるようになるんです。実際に、本件について獨協医科大学の泌尿器科の先生に論文を発表していただいたり、医療現場でもリハビリツールの一つとして使われていたりします。

 

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▲「CUP」 左から、スタンダードタイプ、ソフトタイプ、ハードタイプ @tenga.co.jp

 

また、先日ヘルパーの人にも話を聞いたのですが、障がい者は自身の性に関することを発信しづらいと感じている現状があるんです。病気や障がいと一括りにしてしまう傾向もありますが、実際にはそれぞれ悩みも異なるので、障がい者の性について一人一人と向き合うことが必要なのです。

そのため、脳性麻痺により手が動かない障がいを持っている人や、握力の低下により自らの手でマスターベーションができない人のために、CUP用カフ(自助具)を、作業療法士の方と共同で制作いたしました。
身体障がい者のセクシュアリティに関する支援を行っている団体「特定非営利活動法人ノアール」さんのサポートも行っています。

 

一般社団法人日本セクシャルウェルネス協会にも先日加盟し、男性だけでなく障がい者や病気を患っている人など、より多くの消費者に安心・安全な製品を届けること、そして総合的な”セクシャルウェルネスメーカー”になることを目指しています。

 

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▲TENGA用カフ(自助具)。下がおなじみの「TENGAディープスロート・カップ」 @tenga.co.jp

 

性を表通りに、誰もが楽しめる社会となっている風潮

 

——アダルトグッズ=いやらしい、後ろめたいというイメージが変わってきた風潮は感じますか?

 

メディアと流通、消費者の意識は変わってきていて、性そのものに対して世間もオープンになってきている風潮は感じます。

その背景には、世代間の違いや温度差もあるのではないかと考えています。性について話すことがタブー視されているであろう50〜60代のTENGAのブランド認知率は3割程度なんですが、20〜30代への認知は各種メディアさんでの露出効果もあり7割程と広がっています。誰でもどこでも多くの情報を手に入れられる現在、性に関する情報や映像が氾濫しているため、アダルトグッズへの敷居も下がってきていると考えられます。

流通面でも開けてきていて、現在はドラッグストアでも約1万店舗で「CUP」や「EGG」シリーズを取り扱っていただいております。元々アダルトグッズショップから始まり、一般店である「ドン・キホーテ」さんで取り扱っていただいてから売上が伸び、徐々に実績を作っていったんです。

 

——TENGA SHOPも続々オープンしていますね。

 

弊社製品の取扱い店舗は拡大してはいるとはいえ、やはりアダルトグッズを対面で買うのは恥ずかしいという考えの消費者もまだおります。個人情報の問題はございますが、EC通販も堅調なのです。それゆえ、実際の店舗には「誰もが」入りやすい空間作りが必要であると感じています。

昔のアダルトグッズショップには入りづらい雰囲気がありましたが、その原因は過度にアピールされる卑猥さ、アンダーグラウンド感にあると思います。最近の店舗は卑猥さやアンダーグラウンドさとは真逆のコンセプトで外観の色味や照明が工夫されており、女性でも入りやすいんです。大阪・なんばのTENGA SHOPの店先には、3mほどある巨大なTENGAが置いてあって、TENGAが販売されていると一目瞭然なんですよ。

 

海外では40カ国で販売しており、日本のお土産として外国人観光客の方がTENGAを買うこともあります。ただ、海外、特にヨーロッパやアメリカだと、もともと男性向けよりも女性向けのアダルトグッズの方が多く、ひとつのカルチャーとして位置づけられているんです。男性向けのアダルトグッズは市場として確立されていないんですが、逆にいうとまだ開拓の余地がある。マスターベーションをより楽しく、気持ちよくできるようになっていただくための商品やブランドとして、日本同様、世界の様々な国でTENGAが広まっていければ、と思っています。

 

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▲TENGAコンセプト @tenga.co.jp

 

女性の性はタブーじゃない!活躍する女性広報

 

続いて、女性の間で有名なのが、TENGAの女性向けセルフプレジャーグッズ「iroha(イロハ)」。女性の性生活への取り組みに尽力している広報の工藤さんに、活動への思いを聞きました。

 

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▲広報・工藤まおりさん

 

——女性がアダルトグッズ産業で仕事をすることへの偏見の目もまだまだありますよね。そういった偏見をも乗り越えて、この仕事をする理由は何ですか?

 

偏見の目はやはりまだありますね。性に関することは多くの方がもっている当たり前の欲求なのに、何で目を背けている人が多いのか、以前から疑問を感じていました。TENGAはそのような偏見を少しずつ変えようとしている企業で、自分も抱いていたその疑問をこの企業に入って解決したいな、と強く想いTENGAに入社を決めました。

広報である私も、見た目は普通で、性に関してガツガツしている肉食系とはあまり思われないんです(笑)。でも、こんな普通である私が前面にたって広報を行うことで、「私もいいのかな」と思ってくれる女性がひとりでもいれば、と思いこの仕事を頑張っています。

 

 

女性のセルフプレジャーはケアのひとつ

 

——女性の性という繊細かつタブー視されているもののプロモーションについて教えてください。

 

男性のマスターベーション話は、飲み会等でネタとして面白く話されておりますが、女性の性に関しての話はタブー意識が強いなと感じます。

しかし女性の性やセルフプレジャーには、副交感神経が整ったり、リラックス効果があったりとメリットがたくさんあるんです。そういったことを上手くPRし、女性のセルフプレジャーをもっとポジティブに捉えていただけるように、プロモーションを企画しています。

女性のセルフプレジャーも“セルフケア”のひとつだから、身体が求める自然な欲求に応えてもらいたいな、と思っています。今はまだ特殊な行為というイメージが強いと思うのですが、女性がセルフケアのためにトリートメントやパックをするように、セルフプレジャーに対し罪悪感を感じず、身近に感じてほしいです。

 

——「iroha」シリーズは女性の間で有名ですね。

 

「iroha」はすべて女性チームで、開発からプロモーションまで行っています。私自身もその一員として各種プロモーションを考え、Twitterなどでも情報を発信しています。今一番人気の商品は、「iroha+(イロハプラス)」という動物モチーフの新しい商品です。

「iroha」の特徴である柔らかい触り心地はもちろん人気の理由のひとつなのですが、お風呂場でも使える防水設計ということと、今までにない『挟む』『くすぐる』等の新しい機能性も備わっているところが大変好評です!

 

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▲「iroha+」。左から「りんごとり」、「くしねずみ」、「よるくじら」 @iroha-tenga.com

 

「iroha」は2013年3月3日に発売したのですが、その頃は雑誌『anan』さんでのセックス特集が定番化されてきていたり、AVメーカーのソフトオンデマンドさんが作る「シルクラボ」という女性向けAVもメジャーになってきていたりと、女性の性が市場として確立されつつある頃だったんです。これからも、すべての女性が楽しめるような商品を出していきたいですね。

 

 

TENGAはやはり男性向けアダルドグッズのイメージが強いのですが、「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」というビジョンのもと、女性向けの「iroha」や、カップル向けアイテムはもちろん、今後は特に「TENGA メンズルーペ」のようなセクシャルウェルネスの分野にももっと進出していきたいと考えています。なので今後にも是非ご注目ください!

 

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TENGAが取り組んでいる、幅広い人に性を楽しんでもらえるような活動は、まさしく「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」という企業理念そのもの。”セクシャルウェルネスメーカー”TENGAが描く、誰もが性を楽しめる社会はすぐそこにあるのかもしれません。

 

アダルトグッズのイメージが強いTENGAですが、このインタビューを通じてあなたのTENGAに対するイメージは変わりましたか?

そして今夜は、大切なパートナー、家族、友人と、性について前向きに話してみては?

 

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