2017.03.12

PHILOSOPHY

「忘れないよ」「語ることで心の整理を」被災した子どもたちが形にする、あの日の光景

  • facebook
  • Twitter
  • Line
  • facebook
  • Twitter
  • Twitter

2011年3月11日の東日本大震災から6年。巨大な地震とその後の津波によって、宮城県は多くの地域で甚大な被害を受けた。

名取市閖上(ゆりあげ)地区もそのひとつ。かつて5,000人以上が住んでいた町の犠牲者は、900人超。ほぼすべての木造住宅が流され、今では更地と化している。

 

閖上に住んでいた子どもたちはあの日、黒く巨大な波が、家や車、そして助けを求める人々を飲み込んでいく様子を目の当たりにした。その小さな体や心には、大人の想像以上に記憶が深く刻み込まれている。

 

震災から1年が経った2012年4月22日。14名の生徒が津波の犠牲となった閖上中学校跡地に建立された慰霊碑近くに、「閖上の記憶」が建てられた。慰霊碑を守る社務所、震災を伝える場として、震災やいのちの大切さを伝える取り組みを行う「津波復興祈念資料館」だ。

 

そこには、「語ることで心の整理が進められるように」という心のケアの取り組みで、被災した子どもたちが制作したジオラマ作品が展示されている。

真っ黒い波、燃えゆく街、倒れる人々の姿、「いたい」の文字……あの日の光景を表現した作品からは、改めて震災や津波の恐ろしさ、子どもたちが抱えていた想いが伝わってくる。

 

見たもの、感じたことを自分の中に抱えこまずに、勇気を出してありのままに表現する--閖上の子どもたちは、震災があったあの日に見た光景を、脳裏に焼き付いて離れない景色を、自らの手で作品として再現した。
自分の記憶や感情に向き合い、その人にとって大切な「記憶」を整理するための場所として名付けられた「閖上の記憶」。この場を機に、改めて震災と向き合い、自分が抱え込んでいた想いを素直に表現して良いと知ることができたのだ。

 

この作品群は、3つの段階に分かれている。ひとつが、震災前に暮らしていた閖上の町。二つ目が、震災時に目の当たりにした光景。そして最後が、復興を遂げた未来の閖上の姿。

6年が経過した今、ずっと立ち止まってはいられない。被災した子どもたちは心を整理しながら、自分たちの未来と町の復興に向かい、小さな足を一歩ずつ前へと踏み出している。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

twitter

newStroyの最新記事をお届けします

  • facebook
  • Twitter
  • bookmark

友達にシェアしよう!

  • facebook
  • Twitter
  • Twitter
  • youtube

MORE