2017.04.14

INSIGHT

花見シーズンの上野公園を彩るのは桜だけではなかったようで…? "Broken Blossoms"

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「花見にと 群れつつ人の 来るのみぞ あたら桜の とがにはありける」
ー西行 山家集

 

これは、寺の桜を見に大勢の人が押し寄せた様子について、西行が詠んだ詩だ。今日においてもその様相は変わらず。新歓イベントで盛り上がる大学生や、大声で所信表明をさせられている新入社員を見たら、彼は何と言うのだろう。

 

私たちが幼い頃から慣れ親しんできた桜。卒業式や入学式など、春の式典の写真には必ずと言っていいほど桃色の花びらが写り込んでいた。「桜の花びらをキャッチできたら願い事が叶う」という可愛らしいジンクスや、「桜の樹の下には死体が埋まっている」といった迷信に懐かしさを覚える方も多いのではないだろうか。

 

今回の舞台は花見シーズン真っ只中の上野公園。所狭しと並べられたブルーシートの上では、夜な夜な兵どもの宴が繰り広げられている。公園を囲む710本の桜は、そんな狂宴を見守っているようにもみえる。

そんな花見にはゴミ問題がつきもの。今年も御多分に洩れず、フォトジェニックな(見目苦しい)ゴミ達が公園を彩っていた。キャパオーバーのゴミ箱から溢れるブルーシートや、道端に散らばった空き缶など、種類は様々。この日はあいにくの雨ということもあり、濡れたゴミには悲壮感すら漂っている。

同じくゴミ問題が発生するハロウィンでは、仮装をした一般人がボランティアとして渋谷の街を清掃する様子が話題になった。ジャックオランタンを模した可愛らしい専用のゴミ袋を目にした方も多いだろう。それに比べ花見シーズンにおけるゴミ処理は、上野公園に関して言えば、そのほとんどを行政が担っている。
ゴミの持ち帰りを推奨したところで、それを強制することはできない。善意で回っているこの世の中。「私一人が行動したところで」という一石が、あのゴミの山を形成しているということを心に留めておきたい。
西行は「花見客の喧騒は桜の罪だ」と詠んだ。なんと風情のある語り方だろう。しかしながら、太陽が眩しかったからと言って人を殺すのが許されないのと同様に、桜が綺麗だったからと言って場を濁して良いわけではない。ハロウィンのように、大規模なゴミ拾いプロジェクトが立ち上がるのはもう少し先のことかもしれないが、そこに期待せず行動していくことが、解決の糸口になるのではないだろうか。都内は花見も終盤戦。散りゆく花が山積した残骸の一部となる悲しい情景が少しでも減ることを願わずにはいられない。

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