2017.07.18

PHILOSOPHY

自分にしか出来ない何かを 巻き寿司アーティストーたまちゃんー

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巻き寿司アーティストとして国内外で活躍するたまちゃんこと清田貴代さんは、米と海苔という日本人が古くから親しんできた素材を使って多くのアート作品を生み出してきた。「ジョン・ケージの4分33秒が音楽なのかという議論が沸き起こったように、巻き寿司とはこうあるべき、といった既成概念を超えてアート作品を制作していきたい」と語るたまちゃん。彼女の作品には社会のイシューに対する問題提起も込められている。

 
動画にも登場した「原始人ウー」シリーズは、民族や宗教などのくくりにとらわれない原始人から、アラブ人やフランス人というバックボーンを背負ったカップルが生まれるというもの。
 
「原始人ウーの物語〜アラブ人カップル」

 
「原始人ウーの物語〜フレンチカップル」

 

 
アラブ人カップルを制作する際には、作品の一部として添える食材やそもそもカップルとしてぴったり寄り添った作品にして良いのかなど、考える部分が大きかったという。次に制作した作品は恋愛の国とも評されるフランス人カップル。今にも二人で歩き出しそうな朗らかさが漂っている。
 
また、田植えをする人を表した「早乙女」は、米を使う巻き寿司アートだからこそ映えるテーマだ。
 
「原始人ウーの物語〜早乙女」
「原始人ウーの物語〜早乙女」
 
尾形光琳の「風神雷神」をオマージュして制作された大型作品は、もはやこれまで私たちが抱いていた巻き寿司像を凌駕している。手足の動きや顔の表情まで、今にも動き出しそうな勢いだ。
 
「畏敬のカタチ」

 

 
彼女の作品は、「原始人」シリーズを例に取っても分かるように一つの巻物から別々の作品を生み出すことで、コンセプトに深みを与えている。同じ原始人をスタートとしてアラブ人とフランス人という異なる思想・恋愛観を持つカップルを登場させることによって、社会課題に対してより強い説得力をもって読者に提示することを可能にした。
 
たまちゃんは「自分にしか出来ない何かを」という想いから、自分の意見や考えをアウトプットするための手段として巻き寿司を選択した。私たちが、料理なのか寿司なのか、はたまたアートなのかといった邪推をするのはどうやらお門違いのようだ。日本のアートに対する考え方は、まだまだ海外からは遅れを取っていると言わざるを得ない。ただ、若い世代を中心として、アートに対する新たな潮流が生み出されつつあることも事実だ。アート表現のさらなる飛躍を期待すると共に、たまちゃんのこれからの活躍に注目したい。
 
 
▶︎たまちゃん
Smiling Sushi Roll
ブログ
リトル・モアブックスより作品集「Smiling Sushi Roll」も発売中

 
 
Cover photo by たまちゃん(「原始人ウーの物語〜フレンチカップル」)

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