2017.12.01

INSIGHT

スマートコミュニケーションウェア - A - C - T - デザイナーのOlgaさんにインタビュー

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「装い」で気持ちを伝えるという行為は、祭事をはじめ古くから行われてきましたが、そこにテクノロジーが介入することで、コミュニケーションがさらに豊かになるかもしれません。
 
今回はファッション×テクノロジーの可能性を広め、ユニークなプロダクトの開発を進めるファッションメゾン「Etw.Vonneguet(エトヴァス・ボネゲ)」のOlga(オルガ)さんにインタビュー。今年8月に発表された複数人でのインタラクションをトリガーとして光る、スマートコミュニケーションウェア「 – A – C – T – 」について伺ってきました。人と人との触れ合いによって初めて意味を持つウェアとは…?
 

Olga

▲ファッションメゾン「Etw.Vonneguet」代表。ファッションテックデザイナーとしてデジタルツールを利用した新しい服作りに挑戦している。デジタルハリウッド大学では非常勤講師としてファッション論を担当する。
 
 
ーーファッションとテクノロジーに関心を持ち始めたのはいつ頃でしょうか?
 
もともとファッション学生の時には、紙とシャーペンと定規でアナログなパターンメイキングをしていたのですが、Adobeの授業を受けた時にIllustratorがデザインにも応用できるのでは?と思ったことがきっかけです。テクノロジーってすごいな…と。デジタルツールを使うことで、(作品の)幅も広がるのではないかと思いました。
 
ーー着るセメダインに続き、「- A – C – T -」もオリジナリティのある作品を制作されていますが、アイディアはどういったきっかけで生まれるのでしょうか?
 
基本的には、企業さんと一緒に進めていくことが多いので、ミーティングの場を設けて何度も擦り合わせをしながら自分のアイディアを出しつつ使う素材の良さもきちんと活かしながら、素材研究などの現場では発見できないようなアイディアとデザインのビジョンをきちんとプレゼンして、話し合いながら進めていくことが多いですね。
 
ーー今回発表された「- A – C – T -」にはどのような想いが込められているのでしょうか?
 
もともとスタートアップのプロジェクトの中で、メンターについてくださった富士通さんと一緒に3ヶ月くらいで作り込んだものなんです。富士通(の担当者)さんと私の趣味の共通点が音楽だったので、それだったらライブが盛り上がるような着たら楽しいものを作ろうという想いがスタートでした。「- A – C – T -」は電源のスイッチを入れると光るのではなくて、肩を組んだりハイタッチやハグをすることで光るように設計されています。人と触れ合うことで電気を流すことができるようになっていますが、逆に1人では光ることができません。人の行動をスイッチにするということを付け加えて、ライブやスタジアムでみんなが肩を組んで光の波ができる、という景色を実現したいというビジョンがありました。
 

 
ーー「- A – C – T -」の制作を進める中でいちばん大変だったことは何でしょうか?
 
短期間で見せれるプロットタイプまで持っていけたということはよかったことでもあり、大変なことでもありました。メンター含め協力していただいた方々が素晴らしかったので、本当によくしていただきました。
 
ーー今後どのような場所で「- A – C – T -」はどのような場所で活躍していくのでしょうか?
 
「- A – C – T -」はたくさんの人がいると盛り上がるようになっているので、やっぱり「東京オリンピック」で使って欲しいという想いがあります。全く見知らぬ人たちとひとつの会場に集まってひとつのチームを応援するってすごいことだと思うんですよ。それはライブも同じだと思うんですね、全然知らない人たちが集まって好きなアーティストを見にくるっていう。好きなものが同じっていうことなんですね。ということは友達になるきっかけが少なくとも必ずそこにひとつ存在しているということなんですよ。最近って良いなと思うものってスマホでアップして、みんなにいいねしてもらったり、誰かが素敵な写真をアップしていいねしたりするっていうようにスマホの中で全てが完結しちゃってるんですよ、心の高揚って。でももっとフィジカルに「いいね」を表現して良いんじゃないかなって。
 

©️Etw.Vonneguet

 
他にもブラインドサッカーの応援に使えないかということも考えています。ブラインドサッカーはボールの中に入っている鈴の音を頼りにゲームをするので声を出して応援することができないんですね。だから(こちらが)盛り上がっていることを選手に伝える方法が無いんですよ。でも「- A – C – T -」を着た観客が肩を組んで盛り上がっている、応援していることが光ることで選手に(※光源は分かるという視覚レベルの人に対して)伝わるのではないかなと。ビジュアルで気持ちを伝えるという部分をサポートしたいですね。
 
ーースマホでいいねしてる時は基本無表情だったりしますからね(笑)普段、デザインや制作の中でこだわっている部分や意識していることは何でしょうか?
 
最近は白いものが多いかもしれません。なるべく主観性を入れずにプレーンなイメージで作りたいと考えています。最近は自分の服も白くなってきた気がします。
 
ーー白はフラットなイメージがありますね。「- A – C – T -」の話からは離れますが、こちらのデジタルハリウッド大学では普段どんな授業を持たれているのでしょうか?
 
デジハリ(デジタルハリウッド大学)では「ファッション論」という授業を持っています。ファッションテックなど最新の手法や事例を交えながら、基本的なファッションの歴史や業界の仕組みも理解できるようにします。昔と違って今はこういったツールがある、だとか昔の販売はこうだったけど今はこんなアプリがある、といった形で比較しながら教養として学生に伝えているというのがひとつと、今までのクライアントワークで一緒になった会社さんにゲスト講師として来ていただいて導電性接着剤などを利用したちょっとした演習をして、学生にも実際に触れてもらうという部分を大切にしています。
 
ーー最後に、これから挑戦してみたいことを教えてください!
 
色々な企業さんと組んで作品制作をさせていただく中で、やっぱりデザインと経営、そして新しい未来ってひとつのデザインファームとして発展させていくことができるんじゃないかなと思っているんですよ。日本でも珍しいクリエイティブな会社を作れたらなと思っているので、「- A – C – T -」のようなプロダクトを得意とする会社にしたいなと思っています。
 
 

終わりに

 
「東京オリンピックでこのウェアを活用して欲しい」と語るOlgaさん。海外の人と接する時にはどうしても言葉の壁が立ちはだかりますが、「- A – C – T -」のように言語の壁を超えられるプロダクトを活用することで、これまでとは異なるコミュニケーションが広がりそうですね。
 
「着飾る」だけでなく、「伝え合う」ことのできるファッションがこれからの「装い」文化の要となるのではないでしょうか。
 
– A – C – T –
 
Cover photo by Etw.Vonneguet

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